前項で塗装まで完了しました。
ここでは部品を取り付けていきます。
完成まであと一息!
ペグの取り付け
ペグを取り付けます。(写真がこのセクションの完成形です)

ヘッド部はすでに穴の加工まで終わっているので、ペグを取り付けるだけの状態です。

写真のようにペグを下から穴に通して・・・

上からナットで固定するのですが、ボックスレンチがあるとギター表面に傷をつけずに締められます。
(スパナなどでもできますがその場合は表面を傷つけないように気をつけます)

ナットを取り付けてボックスレンチで締めます。
力の限り締めないように注意。私は力を入れすぎて陥没させたことがあります。

6個ナットを締めました。

裏側を付属のねじで固定します。

以上でペグが取り付けられました。
テールピースの取り付け 【ブリッジアース線を忘れずに】
続いてテールピースを取り付けます。

テールピースとスタッド(支柱)です。
スタッドをギターのボディに埋め込んで、そこにテールピースが乗ります。

位置を確認します。
設計図を重ねつつ定規で設置位置を確認。
ブリッジから40mm程度後ろにテールピースを置きます。

位置が確認出来たらボディにマスキングテープを貼り付けて、マスキングテープに位置をマーキングします。

写真がテールピースの位置です。

テールピースが乗るスタッド穴を加工するために、スタッド位置にマジックで印をつけます。

スタッドの径をノギスで測ると11.5mmです。(ローレット溝の無い部分)
直径11.5mmの穴をあける必要がありますが、そんな径のドリルは持っていません・・・

DIYでは滅多に使わない直径11.5mmのドリルビットを購入しました。

ドリルで穴をあける際はマスキングテープを貼り付けるときれいに開けられます。
マスキングテープをしないと表面が割れるようにバリが出て泣く可能性があります。
まずは細いドリルで下穴をあけます。

直径11.5mmのドリルで加工します。

テールピースのスタッド用穴が加工できました。

重要:「ブリッジアース」用のアース線を設置します
「ブリッジアース」とは弦をアース線につなげることを言います。
これをしないとアンプから「ブー」というノイズが出続けてしまいます。
エレキギターで手で弦を触るとノイズがすっと消えるのがわかると思いますが、これは弦からアンプのアース線につながるブリッジアースがあるからこそです。
手で弦に触れた瞬間、自分の体とギターがアースに落ちるのでノイズが抑えられます。
「ブリッジアース」という名称ですが、レスポールの場合は通常テールピースからアースに落としています。
先ほどあけたテールピースのスタッド用穴からボディ裏側の凹み部分に線を通します。
下図の黄色の線のイメージです。

このため、スタッド用の穴からドリルで斜めに穴をあけてボディ裏側の凹部分までを開通させます。

次の写真のようにスタッド部から穴が貫通しました。

ここにアースとなるリード線を通します。
先端の被覆ははがします。

そして、アース線と触れるようにしてスタッドを打ち込みます。

ハンマーでスタッドを叩いて打ち込んでいきます。(結構固い・・・)

ボディ表面に傷をつけないように板を間にかませて叩きました。木片を間に挟んでもOKです。

テールピース用のスタッドが2個打ち込めました。

付属のねじを取り付けて・・

テールピースをスライドさせて入れます。

テールピースが設置できました。

ブリッジの取り付け
重要部品の設置が続きます。
ブリッジの取り付けです。

今回設置するブリッジです。

正しい位置にブリッジを置くために、1弦と6弦を仮で張って実際にチューニングしながら位置を決めていきます。
そのためにナットも仮で置きます。

ナットを置いて1弦と6弦を張ります。

ブリッジは置いただけの状態で、テールピースまで弦を通します。
今回の弦長の設計値は1弦で635mm、6弦は4mmプラスの639mmなのでまずはその値になるようにブリッジを置きます。
※ブリッジのサドル調整は中央にしておきます

この状態で1弦と6弦の通常チューニングとオクターブ・チューニングが合う位置を探します。
オクターブチューニングに関しては次の「制作編㉓ オクターブチューニング の項」に詳細を記載しましたので、やり方については順序が前後してすみませんが次項㉓を参照してください。

チューニングが合う位置で弦長を確認すると、1弦でおおよそ設計値635mmに近くなっています。
6弦は4mm後ろになりだいたい639mm近くになります。
この位置に固定するために、ブリッジの固定穴にしるしをつけます。

ペン先が届かなかったので、細いドリルでしるしをつけました。

穴位置にしるしがつけられました。

ブリッジ用のスタッドもテールピースと同様の径(実測11.6mm)でした。

まずは細いドリルで下穴をあけます。

次に割れ防止のマスキングテープを貼った上からテイルピースのときと同じ11.5mmのドリルで穴をあけます。

ハンマーでスタッドを打ち込みます。

ボディに傷をつけないように、今度は木片を写真のように間に挟んで打ち付けました。

ブリッジ用のスタッドが設置できました。

調整用台座を取り付けて・・

ブリッジを置きます。

以上でブリッジの取り付けまで完了です。
ノイズ対策の導電性塗料を塗る
ここで、ポッドやピックアップの入る凹み部にノイズ対策の導電性塗料を塗布します。
導電性塗料は多くのギターで塗られています。
これにより、「ジー」という外来ノイズを抑制できます。
ただし以下に述べますが注意点として塗っただけでは意味がなく、グランドに落とす必要があります。

ギター背面の、ポッドや配線の入る凹み部に塗ります。
重ねて厚めに塗るのが良いです。

塗布しました。

次はピックアップの入る凹にも同様に塗布します。


<重要>
導電性塗料を塗布しましたが、このままでは効果を発揮しません。
必ず、絶対に、グランド(アース)に落とす必要があります。
➡以下の「ピックアップの取り付け」セクションを参照してください
ジャックの取り付け
シールドケーブルを接続するジャックを取り付けます。
これはジャックを固定するプレートです↓

これがシールドケーブルがささるジャックです。

ジャックを固定するプレートをボディにねじ止めします。
マスキングテープで仮固定しました。

ねじで固定します。
ねじの前に細いドリルで下穴をあけるとスムーズです。

ジャックを固定するプレートが固定できました。

続いてジャックを取り付けますが、ジャックには信号線とアース線の2本をはんだ付けします。
ホームセンターで電線を購入しました。

ジャックへのはんだ付けです。
写真は「ヘルピングハンズ」「はんだ付けスタンド」と呼ばれるモノです。
(必須ではありませんが劇的に作業がやりやすくなります。)

ジャックにコードをはんだ付けしました。

これをジャックの穴に裏側から差し込んで・・・

表側からナットで締めて固定します。

以上でジャックの取り付けが完了です。
ピックアップの取り付け
このセクションではピックアップを取り付けます。
ピックアップは特にノイズから守りたい部品です。
先ほどノイズ対策用の導電性塗料を塗りましたが、そのままではグランドに接続されておらず浮いているので、ピックアップの入る凹部にグランド線をつけます。
【重要】ピックアップの凹部をアースに落とす
導電性塗料を塗布したことで、下図の青色の部分はまるで金属に覆われたような状態になります。
しかし、このままではノイズシールド効果がありません!
理由は、シールドがグランド(アース)に落ちていないからです。
ノイズ(電場の変化)によってシールドに誘起された電荷がアースに流れる→シールド内部への影響を抑える
という仕組みですので、シールドは必ずグランド(アース)に落とす必要があります。
[勉強なんてしたくない!という方は、仕組みは理解しなくてもOKです。こういうものと思ってください]
やること:下図の青色部分をアース線につなげる

今回、次の写真のようにリード線に金属ワッシャーをつけて、それをねじ止めするという手法を取ります。
(反対側のリード線はジャックのグランド線につなげます)

ワッシャーとリード線をはんだ付けします。

これをピックアップの入る凹部にねじ固定します。


これで反対側の線をジャックのアース線につなげば、ピックアップの入る凹部がアースに落ちてシールド効果を発揮します。

これでピックアップの取り付け準備が整いました。
ピックアップの取り付け
それではピックアップを取り付けます。
写真が購入したピックアップです。
NECKと表記があるのがフロントピックアップ、BRIDGEと記載があるのがリアピックアップです。

製品説明書によると赤線と白線は短絡すると書いてありますので、先端をはんだ付けして絶縁のためシールテープで巻いておきます。

ピックアップはボディに直接固定されているのではなく、「エスカッション」にぶら下がっています。
エスカッションはピックアップのサイズに合うものを選びます。
次の写真のように、エスカッション付属のねじをピックアップの左右にあるねじ穴に入れます。(ねじはスプリングを通して設置)
これによりピックアップがエスカッションにぶら下がるような形になります。

そしてピックアップがぶら下がった状態のエスカッションをボディ表面に固定します。
ピックアップを入れて・・・

ねじでボディに固定します。

リア側のピックアップも同様です。

ピックアップが取り付けられました。
エスカッションの左右のねじでピックアップの高さを調整できますが、細かい位置調整は出来上がってからでOKです。
ノブ、スイッチの取り付け、配線
今回ノブ、スイッチのコントロール関係はレスポールに準拠したものにします。
配線はWEBを参照しました。
写真はギターワークスというギターパーツ通販サイトにあったレスポールの配線図です。
これに合わせて配線していきます。

ボリューム、トーンポットの下図の赤丸部は、端子をポッド背面にはんだ付けです。(ポッド背面はアース線につなげます)
※ポッド背面はんだがつきにくいので、ポッド背面にはんだづけではなく端子同士をリード線でつなぐでもOKです。(むしろそちらの方がやりやすいかもしれません)

ポッド背面は面積が大きくはんだこての熱が拡散してなかなかつきにくいので、フラックスを使用します。
フラックスを塗布するとはんだが乗りやすくなります。
下図のようにはんだ付けできました。

ギターに取り付けるにあたり、次の写真の突起部はジャマになりますので折ってしまいます。
ラジオペンチでグリグリやって折りました。

ポッドを設置しますが、ポッド根元の部分の突起がボディにあけた穴より大きかったので、穴を広げました(貫通ではなく、表面だけ削る)

ポッドが嵌まりました。

表からワッシャーとナットを締めて固定します。

同様にボリュームポッド、トーンポッドを設置します。

ピックアップセレクターの設置です。
これもポッドと同様に取り付けます。

ポッド類が取り付けられたので、配線をしていきます。
これも先ほどの配線図を見ながら線をはんだ付けします。

ここで、上の写真の赤丸部コンデンサ2個については、フィルムコンデンサの「オレンジドロップ」にチューンアップするのがギターいじりの定番のようですが・・・
値段がちょっと高いです。
耐電圧600V となっていて微弱電流のエレキギターにはオーバースペックじゃないか?? ということで普通の安いフィルムコンデンサにします。
下の写真のようにはんだ付けができました。

表から見るとこうなっています。

ここにボリュームノブ、トーンノブをつけます。

これはただ差し込むだけです。

お疲れさまでした、以上で電気部品の取り付けが完了です。
ナットの取り付け、溝調整
ナットを取り付けます。
これは瞬間接着剤で固定します。

指板側にぴったり寄せた状態で接着固定します。

ナットが固定できましたが、弦の入る溝は初期状態では深さが浅いので「ナットファイル」で溝を深く加工します。

ナットファイルは1~6弦にそれぞれ合う溝幅で削るギター専用工具の一つです。
※溝は指板側が高く、ペグ側が低くなるように傾斜をつけます。
写真のように斜めに傾斜をつけるように削っていきます。

このような感じで削れてきいます。

どのくらいの深さの溝にすればよいか?
目安としては「3フレットをおさえたときに1フレットと弦の隙間が0.2mm」との記事がweb上にありました。
削りすぎるとビビり音が出ますし、基本的には後戻りできない加工なので(ナット交換すればOKですが)ひとまず少し浅めに削って置いて、完成してから演奏しやすいように最終調整するのが良いです。

ひとまずナットの取り付けは完了です。
ストラップピン取り付け、背面フタ作成
主要な部品は終わりましたが、はやる気持ちを押さえてストラップピン取り付けと背面のフタを作成します。
ストラップピンの取り付け
文字通りストラップを固定するピンです。
ここまでの難所の数々を越えられた方々には難しくはないと思います。

注意点としては、いきなり付属のねじを打とうとすると割れる可能性があるので、ドリルで下穴をあけます。
直径3mmのドリルで下穴を作成しました。

フロント側も同様に下穴をあけます。

そこにストラップピンをねじ固定します。


ストラップピンが取り付けられました。
背面のフタ
背面のポッド類が入る凹み部が野ざらし状態ですので、フタをつけたいと思います。
ホームセンターで購入したアルミ板(厚さ0.5mm)をカットして使用します。
(プラスチックのアクリル板などのほうが加工が楽かもしれません)

設計図からフタの形状を切り取ってマジックでトレースします。

金切りばさみでカットします。

薄いアルミ板であれば簡単にカットできます。
金切りばさみがない場合は、アルミ板でなく木の板やアクリル板などを使用するのが良いと思います。

試しにボディ背面の凹み部に当ててみます。

固定するねじは何度も着脱できるように鬼目ナットを打ち込みます。
ホームセンターでねじ径4mm(M4)のものを購入しました。

説明書きにあるように径6mmの下穴をドリルであけます。

下図の3か所に下穴を設けました。

この下穴に鬼目ナットを打ち込みます。
ハンマーで叩きますが、ボディに傷をつけそうで怖いので・・

ねじを間に挟んで叩きました。

鬼目ナットが打ち込めました。

フタ側にはねじが通る穴をあけます。
センターポンチで凹みをつけて、ドリル(金工用)で穴をあけます。

アルミ板の周囲はやすりでバリを取っておきます。

ボディ背面にセットして、

ねじで固定できました。

お疲れさまでした!
長かったギター制作もひとまずこれにて完了、あとは調整を残すのみです。

