自作するギターの構想はできましたでしょうか?(構想がまだの人は 準備・設計③ を参考にしてください)
このページでは実際に設計図を書いていきたいと思います。
また、「設計図なんて書けない!」という人は参考にpdfの設計図を置いておきますので、お好みでアレンジしてご利用ください。
図面の作成手順
実際に順番に作図していきます。
ここでは、以下のような仕様のギターを例に作図してみます。
・スケール長 635mm
・フレット数 24
・ピックアップ ハムバッカー×2個
・ブリッジ レスポールタイプのブリッジ+テイルピース
・ヘッド形状 レスポールタイプ(ペグを両側に各3個)
・ヘッド角度 17度
・ボディとネックのジョイント セットネック(接着固定)
では実際の作図ステップを見ていきましょう
スケール長635mm、フレット数は24として指板を作図します。
※各フレット間隔の寸法は前項「準備・設計編③ 構想/設計」に記載しています
まず、指板の幅と長さは下図のように設定しました。

フレットの線を書きます

弦の終端となるブリッジを配置します。
ここで弦の長さに関するノウハウなのですが「6弦は4mm長く」なるように設定します。
今はスケール長635mmなので6弦が639mmになるようにブリッジを配置します(下図)。
つまり、ブリッジは斜めに配置することになります。
弦が細い1弦は理論値と大きな違いが出ないのですが、6弦側は弦が太いことが影響して実際に振動する長さが635mmより短くなるため両端を長くしておく必要があるためです。
「4mm」というのはギター制作業界の経験からくる値のようです。

なお、ブリッジの距離の調整は作りながらやりますので、ここでの作図は正確無比である必要はありません。
ボディの外形作図とピックアップの配置を行います。
フロントピックアップは下図のように指板の終端に隣接させて設置します。
リアピックアップはブリッジ寄りに置きます。

今回ボディの外形形状は、レスポールの写真をキャプチャーして図面上に重ねて作図しました。
(ちなみに下図でリアピックアップ位置が重なっていないのは、本家レスポールは22フレット、今作図しているのが24フレットという違いetc.のためです)

ボディとネックをねじ固定する「ボルトオンネック」にするか接着固定する「セットネック」を選択します。
ここでは、ボディとネックは接着固定の「セットネック」方式とします。
指板(厚み6.35mm)の裏側にネックを作図します。
下図のイメージです。
ここで、ネック終端はフロントピックアップの入る部分の端部までにするのがおすすめです。

横から見た図も作図します。
ネック厚みは1フレット付近で21mm程度、12フレット付近で23mm程度ですが、設計図上は数ミリ厚めに作図しておいて、実際に削りながら調整するのが良いと思います。
ボディとネックのジョイント角度
ネックの仕込み角度は、使用するブリッジに弦の高さが合うように設定します。

今回の例では、レスポールタイプのブリッジ+テールピースを使用します。
今回購入したブリッジの説明書には高さ10.7mmと記載がありましたが、実際は下図のように弦の乗るサドルの高さもあります。
また、これがブリッジの一番低い状態であることを考えて、これより少し高い位置に弦が来るように設定します。

今回の作図例でネックの仕込み角度とブリッジ位置の弦高さを確認してみると、
ネックの仕込み角度1.5°➡ ブリッジ位置の弦高さ 12.3mm
ネックの仕込み角度3°➡ ブリッジ位置の弦高さ 16.2mm
となりました。(ネック角度1.5°のままネック全体の高さで調整する方法もあります)
1.5°だとブリッジが一番低い状態でちょうどよくなるため調整しろがありませんので、ネックの仕込み角度 3°くらいが良いと思います。
(※もちろんスケール長等にもよるのでどんなときも必ず3°が良いとは限りません。作図で確認しましょう)

(作者の補足)
実を言うとネックの仕込み角度1.5°で作成してしまいました。
結果、まさにブリッジ高さの下限でちょうどよい弦高さになりました。
ノブとスイッチを配置します。
今回レスポールと同様のコントロールにするため、volノブ×2、 toneノブ×2、ピックアップセレクターを配置します。

背面にノブ類の収納・配線の加工をします(次のステップで記載)。
ノブ類は一か所に集まっていた方が加工が楽なので、ピックアップセレクターは本家と違ってvolノブの近くに配置しました。
もちろんオリジナルに忠実に配置するのもOKです。

vol / tone ノブ、ピックアップセレクターを収納する領域は背面からボディをくり抜くようにします。
くり抜いた部分のボディ厚みは8mm程度にします。
適切な厚みは選定した部品により若干異なると思いますが、実際に加工しながら調整すればOKです。

※今回背面から加工する構想ですが、ボディおもて面からくり抜いてピックガードで蓋をする方法もあります
ヘッド形状は、ボディ形状と同様に自由にデザインできます。
ペグの配置は下図の例ではギブソンのようにペグを両側に3個ずつ配置しています。

ヘッド角度をつけます。
ここではギブソンの17°を採用します。

一通り作図しました。
ストラップピンの位置などは後で作りながら考えれば良いと思いますが、もちろん設計しておきたい方は図面に入れておいてOKです。
※次項で図面の作例を紹介しています。

図面の作例
図面をいくつか置いておきますので、ご自由にお使いください。
作りたいフレット数や弦長に近いものを選んで、ボディやヘッド形状を変えるのが良いのではないでしょうか。
図面例1(スケール長628mm / フレット数22)
レスポール相当のスケール長とフレット数です。
●スケール長628mm フレット数22 ネック図面
●スケール長628mm フレット数22 ボディ図面
図面例2(スケール長648mm / フレット数22)
ストラトキャスター相当のスケール長とフレット数です。
●スケール長648mm フレット数22 ネック図面
●スケール長648mm フレット数22 ボディ図面
この図面は形状がレスポールのもので、ピックアップもハムバッカー×2となっています。
本来ストラトキャスターだとシングルピックアップ×3だったり、ヘッド形状もペグが6連だったりとストラトキャスターを忠実に再現したい方はアレンジが必要です。
今後ストラトキャスター仕様のものも作成できればと考えています。
図面例3(スケール長635mm / フレット数24)
上記の「図面の作成手順」で例としたものです。
PRS相当のスケール長とフレット数です。
<準備中!!>

